KK210 セルフライナーノーツ

 そもそも、「KK210」ってなんですか。薬品の名前ですか、“ウソ800”みたいな。アニメですか、“銀河鉄道999”みたいな。違います、ズバリ“クワエコウスケが作ったBPM210の曲”です。クワエコウスケでKKです。ちょうど良いダサさでしょ。

 

 去年1年間の充電期間で僕とクワエでお互いに曲をそれなりの数を送りあって、その中から良かった曲をRecしようという話は決まっていました。この曲のオケが届き、かっけえなあと思いました、素直に。よくもまあこんなたくさんの拍子を1曲にうまくまとめたなと、まるで拍子のバーゲンセールだな…と言わんばかりに。一応書いておくと、間奏が6/8、出だしのベースとAメロが5/8、サビが4/8になってます(多分)。余計なギターフレーズなどがなく、スリーピース感が強く感じられる音の構成も気に入っています。ライブでやるのも楽しいしね。

 

 そこからこのオケに歌を入れて歌詞を書いていくのが僕の仕事になるわけですが、この5拍子のAメロにはポエトリーしかなかろうと。とにかく言葉を詰め込んできっちり音数を合わせてスムーズに歌う(喋る?)。このEPにおいて一番練習したのはここかもしれない、言葉を考えるのも歌えるようになるのも大変でした。Recでは低めと高めで声質を分けて録りました。その部分に関して、ある人から「禁断の惑星」意識した?と聞かれ、正直全然意識してなかったけど好きな曲だから無意識にそれっぽさは出たのかもしれないです。これからはかっこつけたいので「禁断の惑星」を意識してこの曲を作ったことにします。インタビューでもそう答える、指摘はNGで。

  

 歌詞について。僕は歌詞に使えそうな言葉を思いついたらiPhoneのメモ帳に“歌詞ノート”としてメモをしているのですが、その中の一文“中級住宅街と高級住宅街”を引っ張って来て膨らませた感じです。バイトから帰ってくる最中に自宅前の電線の間から見えた星々がすごく綺麗で、それは周りの情景がどうとか自分の精神状態がどうなんて難しい理由ではなく、ただ単純に暗い夜という時間帯に星という物体が光っていたから、というだけなのだろうな、と。“好きなあの子は離れたところにいるけど同じ空を見ている、繋がっている。”なんて安っぽい表現じゃなく、感傷に浸れるのはただ星が綺麗だったから。そこがスラムだろうが高級住宅街だろうがあまり関係はない。そんな達観。それ以外の部分の歌詞は意味あるような感じしてそんなに意味無いと思います。気になるところあったらいつか質問ください。とりあえず焼きたてのマドレーヌ食べたい。

 

(2021年10月作成、原文ママ